毎日を振り返るほんの少しの時間の大切なティータイム。
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ニュークロップ。
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    今日もチョッと専門的な話です。

    ニュークロップとは新しい穀物(作物)と言う意味で、当年収穫物のことを指します。
    ただ、収穫される時期や産地によって微妙に「当年物」の捉え方が変わってきます。

    お茶なども、日本の場合は四季がありますから、新茶は3月〜4月くらいに摘み取ったものをその後2〜3ヶ月の間「新茶」と呼びます。緑茶は無発酵茶であるため劣化しやすく、半年も経つと液体が黄色くなり美味しくなくなります。
    しかし、スリランカの場合は一年中温暖気候なので、標高の高いところで雨季と乾期に分かれる程度の変化しかありません。一年中温暖ですから、当然一年中毎日茶摘みが行われています。紅茶の場合、新茶の定義は確立されていませんので、それぞれ扱う業者によって「摘み取って3ヶ月の間を新茶とする」とか「日本に入港してパッキングしてから一年間を新茶とする」など、さまざまな定義があります。
    紅茶は強発酵茶であるため、緑茶に比べて劣化しにくく、かなり長い間品質を保つことができますので、新茶の定義は曖昧なのです。

    紅茶は輸入ものですから、船便で輸送すれば最低でも日本に届くまでに約1ヶ月はかかります。
    しかも、摘み取ってからとなると、精製工程や箱詰め、港までの輸送などでさらに時間がかかっています。

    摘み取ってから3ヶ月を新茶とするとなると、日本に入荷してから1ヶ月程度しか新茶と呼べる期間が無いことになります。

    このように、「ニュー」という概念は非常に難しいものがあります。

    基本的にコーヒーの場合は船便での輸送となります。
    コーヒーの産地は、ご存知のとおり中南米やアフリカ、インドネシアなど
    日本からは遠いところばかりです。

    船に積んでから日本に到着するまで最低でも二ヶ月程度はかかります。
    (航空便はコストがかかりすぎることと、一度の積載量が限られますので
    通常は不可能です。)

    例えばブラジルでは早い収穫で6月ですが、収穫されてからウェットミルで精製(いわゆるナチュラルやウォッシュド)されて輸出業者(シッパーまたはエクスポーターといいます。)に運ばれるまで約2〜3週間程度はかかります。
    ここから、手動脱穀機で脱穀して、消費国の商社や我々ロースターの元にプレシップサンプル(船積み前の航空便)を少量送り、カッピング。
    選ばれたものは、商社や我々のオリジナルロゴを印刷した麻袋に袋詰めされて船積みされるまでに数週間。

    こうして通常の流通を通常に行うだけでも収穫から船積みまで一〜二ヶ月程度かかってしまいます。
    そして、日本に入港するまで約二ヶ月。入港してからは通関があります。通関でなにもなくスムーズに行けば通関は2〜3日できれて、初めて国内デリバリー可能となります。
    しかし通関でなにかに引っかかりモニタリング検査をしたりすると、通関がきれるのは更に二週間ほどかかってしまいます。
    となると、収穫してから早くとも合計約3〜4ヶ月はかかって日本国内に出回ります。

    ですから、ブラジルのコーヒーはどんなに早くても6月収穫物でその年の10月から11月の国内デリバリーとなるのが普通です。

    しかし、収穫期というのは3ヶ月以上ありますから、通常6月から8月までに収穫されたものをすべてサンプリングして日本へ送り、カッピングして決定し、契約して脱穀して船積みですから、9月〜10月に契約が成立するというのが通常の流れです。
    そうなると、ブラジルのコーヒーは平均すると年内ぎりぎりか、または年明け早々が最も早い日本国内デリバリーとなります。

    コーヒーの場合、06−07クロップというふうに書かれているのは、そのためです。

    昨年、このブログでもご紹介したブラジルのコーヒーは歴史上初と言っていいくらい早い、7月の入荷だったのですが
    サンプリングもカッピングもなく、航空便で輸送したために実現したものです。これは半分ギャンブルで、農園主との信頼関係がないと絶対に実現しません。

    コロンビアなどは、地域にもよりますが、収穫が年二回おこなわれます。
    ファーストハーベストクロップとセカンドハーベストクロップといいます。コロンビアは地域によって微妙にずれますが、概ね12月〜2月がファーストハーベスト。6〜8月がセカンドハーベストとなります。

    ですから、ファーストハーベストは年内には入荷します。しかし、セカンドは翌年の入荷になります。

    各国収穫時期が異なりますので様々ですが、基本的には収穫から日本国内デリバリーまではかなりの時間がかかるので、どうしても前年度収穫となってしまうのです。


    上記の説明でいくと、僕の感覚ではコーヒー豆は日本に入港した時点で、ニュークロップでもなんでもなく、「カレント(経過中)クロップ」なのです。

    生豆問屋の間では、日本に入港してから3ヶ月間を「ニュークロップ」と定義づけしています。
    それ以後は全て「カレントクロップ」と呼びます。
    一年を越せば「パスト(過ぎた)クロップ」と呼ばれます。

    僕達はあくまでもニュークロップ時と同じような豆の状態にこだわっているだけですから、今の時期に「グァテマラのニュークロップが欲しい」と言われても、今収穫期ですから日本にあるわけがありません。

    正しい注文の仕方は「出来る限り青いグァテマラが欲しい」・・・と、なります。
    問屋にとっては嫌な注文の仕方ですが・・・(笑)

    僕達がリーファコンテナや定温倉庫にこだわるのはそのためです。

    こういうのって難しいですね。
    どれが正しいわけでも、間違っているわけでもありませんから。。。
    その人がどう捉えるかの問題だけだと思います。

    ただ、業者が色々なことを公開しないことも問題です。
    公開しなくても良いこともたくさんあるとは思いますが、公開しなさすぎなのではないかとも思います。

    公開すると後悔しそうなので、やめておこうと思うこともありますが・・・
    スペシャルティコーヒーが盛り上がって見えているうちに、やっておかなければ手遅れになることがたくさん・・・大変だぁ・・・
    | コーヒー豆情報。 | 21:17 | comments(2) | - | - | - |
    有益な情報をありがとうございました。

    その辺のところが私たちには曖昧で、判りにくかったところです。お客様にも明快に答えられず歯痒かった事もあります。

     飛行機ならあっという間ですが、船便ですものね。
    一度コーヒー豆の気持ちになって産地から日本まで船旅でもしてみたいところです・・・。
    | misawa | 2007/02/18 12:56 PM |
    misawaさん、コメントありがとうございます。
    今回のブログの内容は、このブログを読んでくださっている方からのメールによるご質問にお答えしたときのものです。
    自分のメールをコピペしてしまいました(笑)少々手を加えましたが・・・

    いやぁ・・・それにしても、産地から日本までの船旅だけは、いくらmisawaさんでも賛成できませんねぇ(笑)
    リーファコンテナでも嫌ですよ。残念ながらコーヒー豆の気持ちにはなれません!
    ・・・って・・・夢が無さ過ぎですか?(笑)
    | masaya | 2007/02/18 4:15 PM |









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