2005.12.01 Thursday
コーヒーペーパーフィルターの真実。
コーヒーの抽出方法として現在一般家庭に一番普及しているのがペーパードリップ。もちろんハンドドリップだけではなく、電気式のコーヒーメーカーも含めて。
そして、同じペーパードリップにもドリッパーと呼ばれる器具には様々なタイプがあります。
一つ穴式、三つ穴式と言われる扇形型や、ネルドリップに近づけたと言われる円錐型などが代表的です。最近はアウトドア用に開発されたバネットなども人気があります。
それぞれ一長一短ありますし、好みの問題もありますのでどれが一番良いとはなかなか言えません。
実はペーパードリップにはもっと大切なペーパーフィルターという器具が含まれますが、このフィルターの種類によってもコーヒーの味に大きな影響を与えます。
ペーパーフィルターには茶色い無漂白タイプと白い漂白タイプがあります。
僕は白い漂白タイプが最もコーヒーの抽出には向いていると思っていますが、皆さんは次の話を聞いてどう思うのでしょうか?
まず、漂白タイプはなぜ漂白するのかというとひとつは紙の臭いを取り除くため、もうひとつはパルプの繊維を絡めやすくするためです。
パルプは木材からできていますが、木材の組織にはリグニンという有色の化合物が大量に含まれています。このリグニンを除去しないと繊維が絡みにくくて紙になりませんし、色や臭いが残ります。
このリグニンを効率的に除去するのが漂白工程です。
現在のペーパーフィルターは酸素漂白で、漂白工程で塩素を含む薬品を使用しないため、ダイオキシンに代表されるような有機塩素化合物を生成する心配などは全くありませんし、工業廃棄物も出ませんので最も環境に良い状態で作られています。酸素ですから、もちろん人体への影響もあるわけがありません。リグニンを効率的に除去するため時間がかからずコストが安いことも大きな魅力になっています。
そして、木の臭いはほぼ除去されているためコーヒーの味や臭いを大切にしたい方には。。。
左が無漂白ペーパーを湯通ししたお湯。右は酸素漂白ペーパーを湯通ししたお湯。明らかに違いがあります。お湯が黄色いため、カップの内側まで反射して黄色く見えますが、決して黄ばんだカップではありませんよ(笑)
次に無漂白タイプはなぜ無漂白なのかということです。
海外では、地球の環境を守るために余計な工程は踏まずに、自然のままに作ったのが無漂白タイプです。
そして、味や臭いは二の次ですので、工程の目的に木の臭いを取り除くという概念はありません。試しに、ペーパーだけ湯通ししたお湯を飲んでみてください。
そして、漂白しない代わりに大量の水を使ってリグニンをできるだけたくさん洗い流します。
酸素漂白した場合と比べると洗浄時間は実に二倍以上です。酸素漂白した場合の洗浄時間は長くて4時間ほどといいますから無漂白は・・・
日本ではほとんど「エコ」というイメージだけで売れているのでしょう。
エコロジーブームによって無漂白がなんとなく良さそうだから無漂白がいいと。
皆さんが無漂白の方が体に良いと思っているかどうかはわかりませんが、この話をもしも初めて知った方は、「無漂白ペーパー」と「酸素漂白ペーパー」・・・あなたはどちらを使いたいと思いますか?
うちで使用しているペーパーは酸素漂白のみです。そしてクレープ加工と呼ばれるシワがたくさん入ったタイプです。
この加工を施すには高度な技術が必要となりますし、コストもかかります。
パルプはカナダ産のバージンパルプ100%。
クレープ加工を施すことにより、目詰まりが大幅に軽減されることと、ドリッパーに密着しにくくなるという効果があります。
深いキレイなシワが見えますか?円錐フィルターも同じ工場ですからクレープ加工が施されていますよ。
うちのような自家焙煎店では量販店などに比べてかなり新鮮なコーヒー豆を販売しています。
新鮮なコーヒー豆はご存知の通り、お湯を注ぐと膨らみます。同時にお湯を含み保持する力も強く、古くて膨らまない豆に比べて抽出液が落ちてくるスピードが遅くなります。
このため、クレープ加工が施されていない一般的なフィルターでは目詰まりし易く、余計に抽出スピードが遅くなって抽出オーバーとなってしまいます。
古くなったコーヒー豆は、逆に目詰まりを起こしたほうがゆっくり抽出できて味が出易くなるのですが・・・
また、新鮮なコーヒー豆は炭酸ガスを発生しますので、ペーパーがドリッパーに密着してしまうとガスが抜けずに逆流し、表面がボコボコいってしまいます。蒸らしや抽出がスムーズに行われません。
ペーパーにもいろいろなことが隠されていますよね。
たまにはちょっと「たかがペーパーごとき」にこだわってみてはいかがでしょうか。
そして、同じペーパードリップにもドリッパーと呼ばれる器具には様々なタイプがあります。
一つ穴式、三つ穴式と言われる扇形型や、ネルドリップに近づけたと言われる円錐型などが代表的です。最近はアウトドア用に開発されたバネットなども人気があります。
それぞれ一長一短ありますし、好みの問題もありますのでどれが一番良いとはなかなか言えません。
実はペーパードリップにはもっと大切なペーパーフィルターという器具が含まれますが、このフィルターの種類によってもコーヒーの味に大きな影響を与えます。
ペーパーフィルターには茶色い無漂白タイプと白い漂白タイプがあります。
僕は白い漂白タイプが最もコーヒーの抽出には向いていると思っていますが、皆さんは次の話を聞いてどう思うのでしょうか?
まず、漂白タイプはなぜ漂白するのかというとひとつは紙の臭いを取り除くため、もうひとつはパルプの繊維を絡めやすくするためです。
パルプは木材からできていますが、木材の組織にはリグニンという有色の化合物が大量に含まれています。このリグニンを除去しないと繊維が絡みにくくて紙になりませんし、色や臭いが残ります。
このリグニンを効率的に除去するのが漂白工程です。
現在のペーパーフィルターは酸素漂白で、漂白工程で塩素を含む薬品を使用しないため、ダイオキシンに代表されるような有機塩素化合物を生成する心配などは全くありませんし、工業廃棄物も出ませんので最も環境に良い状態で作られています。酸素ですから、もちろん人体への影響もあるわけがありません。リグニンを効率的に除去するため時間がかからずコストが安いことも大きな魅力になっています。
そして、木の臭いはほぼ除去されているためコーヒーの味や臭いを大切にしたい方には。。。
左が無漂白ペーパーを湯通ししたお湯。右は酸素漂白ペーパーを湯通ししたお湯。明らかに違いがあります。お湯が黄色いため、カップの内側まで反射して黄色く見えますが、決して黄ばんだカップではありませんよ(笑)
次に無漂白タイプはなぜ無漂白なのかということです。
海外では、地球の環境を守るために余計な工程は踏まずに、自然のままに作ったのが無漂白タイプです。
そして、味や臭いは二の次ですので、工程の目的に木の臭いを取り除くという概念はありません。試しに、ペーパーだけ湯通ししたお湯を飲んでみてください。
そして、漂白しない代わりに大量の水を使ってリグニンをできるだけたくさん洗い流します。
酸素漂白した場合と比べると洗浄時間は実に二倍以上です。酸素漂白した場合の洗浄時間は長くて4時間ほどといいますから無漂白は・・・
日本ではほとんど「エコ」というイメージだけで売れているのでしょう。
エコロジーブームによって無漂白がなんとなく良さそうだから無漂白がいいと。
皆さんが無漂白の方が体に良いと思っているかどうかはわかりませんが、この話をもしも初めて知った方は、「無漂白ペーパー」と「酸素漂白ペーパー」・・・あなたはどちらを使いたいと思いますか?
うちで使用しているペーパーは酸素漂白のみです。そしてクレープ加工と呼ばれるシワがたくさん入ったタイプです。
この加工を施すには高度な技術が必要となりますし、コストもかかります。
パルプはカナダ産のバージンパルプ100%。
クレープ加工を施すことにより、目詰まりが大幅に軽減されることと、ドリッパーに密着しにくくなるという効果があります。
深いキレイなシワが見えますか?円錐フィルターも同じ工場ですからクレープ加工が施されていますよ。
うちのような自家焙煎店では量販店などに比べてかなり新鮮なコーヒー豆を販売しています。
新鮮なコーヒー豆はご存知の通り、お湯を注ぐと膨らみます。同時にお湯を含み保持する力も強く、古くて膨らまない豆に比べて抽出液が落ちてくるスピードが遅くなります。
このため、クレープ加工が施されていない一般的なフィルターでは目詰まりし易く、余計に抽出スピードが遅くなって抽出オーバーとなってしまいます。
古くなったコーヒー豆は、逆に目詰まりを起こしたほうがゆっくり抽出できて味が出易くなるのですが・・・
また、新鮮なコーヒー豆は炭酸ガスを発生しますので、ペーパーがドリッパーに密着してしまうとガスが抜けずに逆流し、表面がボコボコいってしまいます。蒸らしや抽出がスムーズに行われません。
ペーパーにもいろいろなことが隠されていますよね。
たまにはちょっと「たかがペーパーごとき」にこだわってみてはいかがでしょうか。